帰化申請の許可/不許可の注意点

帰化申請するためには、国籍法で定められた条件をクリアしていなければなりませんが、許可、不許可の実例から、さらにもう少し掘り下げて注意しまければならない点や気をつけたい点を補足したいと思います。

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1.結婚している場合は、世帯として審査される

技術・人文知識・国際業務ビザや技能ビザ、経営・管理ビザなどの就労ビザをお持ちの方が帰化申請する場合に、結婚されていて奥様やご主人、お子様が家族滞在ビザでおられる場合、たとえご自身だけで帰化申請する場合であっても世帯全体としての審査がされるため、例えば家族滞在ビザをお持ちの奥様が資格外活動許可をもらっていて週28時間までの就労が認められている場合に、週28時間を超えて就労していることが判明した場合は入管法違反になるため帰化申請の許可をもらうことは難しくなります。

また、帰化申請される方の配偶者(日本人、永住者、定住者、就労ビザの方)がアルバイト等をされている場合に、同時に2か所以上で働いて給与をもらっている場合には、必ず確定申告をしてその書類を提出しなければなりません。28時間オーバーの問題や、確定申告とそれに伴う書類の提出の必要性は配偶者だけに限らず、結婚されてなくても同居している方がいる場合は、その方も対象になりますので注意が必要です。

また、就労ビザをお持ちの方で奥様やご主人様が家族滞在でおられて扶養に入れておられる場合には、その方のアルバイト等の年収が130万円を超えないようにしなければなりまでせん。130万円を超えてしまっている場合は扶養から外してその方自身が国民年金や国民健康保険に加入しなければなりませんが、そのような措置を取らずに帰化申請をされようとされる方が散見されます。就労ビザを持ちの方は帰化申請する場合にはしっかりと配偶者の年収を把握しておく必要があります。 さらに、本国のご両親やご兄弟を扶養に入れておられる場合に、帰化申請する場合、必ず毎年の送金記録を提出する必要があるというところも注意が必要な点です。


2.人事異動などで技術・人文知識・国際業務に当てはまる仕事をしていない

同じく技術・人文知識・国際業務の就労ビザをお持ちの方が帰化申請する場合に、現在のお仕事が学歴と関連する職種でない場合、例えばホテルのフロント業務で技術・人文知識・国際業務の在留資格を取得した方が、その後の会社の人事異動などでレストランのホール担当などの学歴と関係ない単純作業とみなされるような仕事をしていることが判明した場合も帰化申請が許可されることはありません。在留資格の更新の場合、出入国在留管理局の審査は書面だけですのでそれでも許可がおりることがあり得るかもしれませんが、帰化申請の場合、面接があり、職場にも直接調査が入りますので、上記のようなケースの場合、必ずバレてしまいます。この場合も入管法違反になりますので帰化申請が許可されないことになってしまいますので注意が必要です。

最近の傾向として、就労ビザからの帰化申請は以前と比べて審査が厳しくなってきており、もしも、このような問題が発覚した場合は、本来の技術・人文知識・国際業務に該当する業務についてから10年から15年は帰化の許可がもらえないようになケースも出てきておりますので注意が必要です。


3.会社を経営している場合には、会社も経営者も厚生年金に加入している必要あり

株式会社や合同会社などの法人を経営されたり、それらの法人の役員をされている特別永住者の方や永住者、定住者、経営・管理ビザをお持ちの方が帰化申請する場合、ご自身が厚生年金や社会保険に加入していることはもちろんのこと、その会社で働いている従業員の方にも厚生年金や社会保険に加入させていなければ法律を遵守しているとはみなされず、素行要件に引っかかるため帰化申請が許可されることはありません。

また、帰化申請しようとする方が永住者や日本人の配偶者、永住者の配偶者や就労ビザなどの在留資格の方であったとしても、配偶者の方が同じように会社を経営されていたり、会社の役員をされている場合も、帰化申請する場合は世帯として審査されるため、配偶者が経営されている会社や役員をされている会社が同じようなケースの場合も帰化申請が許可されないことになってしまいます。

また、経営されている会社が直近で最低でも1期は決算が黒字である必要があります。
帰化申請する場合は、上記と併せて帰化申請するご本人だけではなくあくまで世帯として判断されますので注意が必要です。


4.日本語能力について

2019年7月から永住申請の審査基準が変更され、今まで以上に要件が厳しくなりました。帰化申請においても日本語能力について、一般的には小学校3年生程度の日本語の力が求められますが、最近の傾向としてより厳格に日本語能力を見極める運用がされてきております。最近は、法務省から全国の法務局に対して日本語能力試験N1合格者にも日本語テストをするようにというような通達も出されているようです。帰化申請するということは日本人になるということですので当然として日本語が話せる、読める、書けるといったことが前提条件となりますので帰化申請するうえでも注意が必要になります。


5.転職について

転職に関しても、転職してから1年以内の帰化申請は、よほど有利な条件でない限り基本的には不利に働く可能性が高くなります。安全圏としては3年以上は欲しいところですが、もしも転職してから1年経っていない場合には、(6ヶ月以上でも可能性はありますが)、1年経った上で帰化申請されたほうが安全だと思います(ただし、帰化申請は準備を始めてから受付(本申請)するまでに本国書類等の取得や翻訳などを含めて3~4か月ほどかかる場合も多いので、帰化申請の手続き自体は転職されてから8~9か月目くらいから始められても大丈夫です)。

また、帰化申請後の転職に関しても転職先の資料や書類を提出することになりますので、転職先がより安定して有利な場合には可能性はあると思いますが、審査が長くなる傾向にあります。極力帰化申請中は転職は避けられた方がよろしいかと思いますので、ここも注意しておいた方が良い点だと思います。



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